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特定非営利活動法人シンセア チェンジメーカーインタビュー

ラジオ放送

放送日2025年10月13日(月)9:08
(再)2025年12月22日(月)9:08
学生記者山内 柚依、小林 勇翔、種本隼
取材先(SDGs推進企業等)特定非営利活動法人シンセア

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取材レポート

小林:私たちはNPO法人シンセアさんに伺いました。SDGsの目標達成に向け、NPO法人シンセアさんがどのような取り組みをなさっているのか、理事長の高田竜太郎さん、経営企画戦略室室長の近藤伸子さんに伺います。
インタビューを行うのは、洗足学園大学音楽大学音楽学部声優アニメソングコース2年小林勇翔と、静岡県立大学経営情報学部1年種元隼と、静岡県立大学経営情報学部3年山内柚依です。

小林:NPO法人シンセアさんのメインに行っている事業について詳しくご紹介していただけますか?

高田:はい。私たちは富士市内に本社を持ち、静岡市に3施設、富士市に1施設、長泉町に1施設の高齢者介護施設グループホームを運営しております。

1つの施設に入居されてる方々が18名おりまして、全て認知症を患った利用者様になります。法人全体のスタッフが今90名弱おりまして、24時間ずっと介護を行っているような施設になります。

小林:では、ここから今お伺いした事業について、社会的、環境的、経済的にどのような配慮をなさっているのか、それぞれ詳しくお話を伺っていきます。

経済

小林:環境への配慮について意識して取り組んでいることはございますか?

近藤:私たちの法人は、元々、食事を1から作っていたんですけれども、最近は、外国の方であったり、若い職員さんが増えてきたこともあって、冷蔵でカットされて届くような食材を使って、あまり包丁を使わずに調理ができるように、グラム数やレシピなどが書かれた食品を使って料理をするようになりました。今までは包丁で指を切ってしまったような職員がいらっしゃったりしたんですが、そういったこともなく、今安全に調理をすることができるようになりました。
そして、これまでは、生野菜とかそういった生の食材がすぐ痛んでしまうことがあったのですが、食品が全て冷凍になったことによって廃棄食材が減らせるようになりました。

小林:職員さんからSDGsへ取り組もうという意見が上がったそうですね。

高田:SDGsへの取り組みは、職員の声から始まりました。
先ほど話したような、食への取り組みも、職員が、今こういうことが大変だよとか言ったことで始まって取り組むようになりました。

小林:家庭菜園をなさっているのですよね。どのような感じで始めたのかぜひ教えてください。

近藤:元々私たちが認知症の方を看させていただいているのもあって、認知症の方々に対するレクリエーションの一環としても、施設の畑を利用して家庭菜園を行ってきました。これまでは、簡単にできるトマトとかピーマンとかだけを行っていたんですけれども、今では、じゃがいもを作ったり、さつまいもを作ったり、1年中、冬以外はほとんど、食品、野菜を作っています。その野菜を利用して入居者様と一緒に料理をして、試食していただくっていうような活動も行っております。

小林:環境への配慮について伺ってきましたが、SDGsの17の目標のうち、何番の達成を目指している活動だとお考えでしょうか?

高田:2番、飢餓をゼロにです。廃棄される食材が少なくなったりしましたので、食品ロスに貢献できていると思います。

小林:ありがとうございました。

社会

種本:社会的配慮について意識して取り組んでいることは何でしょうか?

高田:介護施設は人間関係すごく大切になっておりまして、ゆえに介護のストレスを抱える方もいっぱいいらっしゃいます。そのストレスを前向きに変えていただこうと考えまして、社内でコンテストを開くなどして、一人一人がポジティブな感情になれるような活動に取組んでおります。

種本:環境作りを行っているということですね。具体的な活動として他にどのようなものがありますか?

高田:私たちはありがとう名刺というものを作っています。すべての職員一人一人に名刺を作って渡しているんですが、その裏にありがとうという印刷されているんですね。それを、社内で渡し合ったり、社外の方にもその名刺を渡して、ありがとうの気持ちを伝えるという活動をしています。相手への感謝を見つけることで、心にゆとりを持った生活を行っていただければと思っています。

種本:お互いに認め合って感謝を伝えるっていうのはとても大切なことですね。
その他にも、社内で頑張っている人を表彰するコンテストのようなものをやっているそうですね。詳しく伺ってもいいですか?

近藤:はい。私たちの法人で元々表彰であったり、賞与の時に頑張っている方々に評価をさせて頂いたりっていうような取り組みは行ってはいました。ただ、目立っている方はよく名前が上がってくるんですけれども、影で支えて頑張ってくれている方があまり名前として上がってこなかったという課題がありました。そういった方々を表彰したいっていうことがきっかけで、テーマを設けた表彰制度を作るようにしました。

種本:ところで、幹部の方が高田様以外全員女性だとおっしゃっていましたね。

高田:今、私たち法人には部長3人いるんですけれど、その3人が今ちょうど女性です。

種本:女性も平等に昇進できるということですね。

平等、あまりこう意識してないんですけれども、本当に偶然今は女性が3人部長になっています。法人全体でも50%、50%で男女がいらっしゃいますので、あまりその意識したことはないんですけれども、偶然今はそういう形になっております。

種本:その他にもこちらの施設では様々な多様性を持った方々を採用しているというお話を先ほどされていましたが、それについても、もう少し詳しく伺ってもよろしいですか?

高田:あまりジェンダーとかにこだわらず、あとは国籍ももちろんですし、誰に対してもこうオープンな形で経営をしております。採用に関してもあまり意識したことがないっていうぐらいで、特定の方をどうしても雇おうという意識ないですね。もう本当に自然体です。なんかあまりこう差別とかっていうのも意識としては無いと思います。

種本:自然体でこういった組織を構成というか構築できるというのは本当に素晴らしい理想系だと思います。こうしたものはやはり理念とよく関わっていらっしゃるのでしょうか?

高田:そうですね。大切な人の大切な人を大切にするという考えを持っていまして、それを何か軸において皆で日々生活を送っていますので、何か自然体になっているのが結果あるのかなっていうのは思います。

種本:特別目立っていない方でも頑張っている方が多いので、そういった方を評価していくというのは非常に大事なことだと思います。こちらの活動がSDGsの17の目標のうち、何番を達成していると考えでしょうか?

高田:10番の「人や国の不平等をなくそう」と、5番「ジェンダー平等を実現しよう」だと思います。

種本:ありがとうございました。

経済

山内:事業を成長するために何か意識して取り組まれていることはありますか?

高田:私たちは、これからの介護業界で生きていく中で、人と人を大切にする経営を意識しておりまして、例えば1人1人の人がどんな形で成長していけるのかなっていうことをしっかりと考えながら行動しています。

山内:人を大切にすることが、その企業として成長するために取り組まれてることと伺ったのですが、具体的な制度や行っている取り組みなどはありますか?

高田:私たちはまずは理念研修っていうのを大切にしています。年間4回ぐらい、新卒で入ってくると皆さん年間4回の理念研修を行ったり、あと技術研修はもちろん、介護の技術研修も行います。あとは後輩を教える人たちの為の研修を行ったり、あとは資格取得のための研修を、これはもう社内で力をいれて皆でお互いが支え合うような形で研修をやっております。

山内:その資格取得のための研修を通じて、職員さん同士の繋がりとか、あと他の施設の方との繋がりができたなど、資格取得研修の中での変化がありましたら何かお聞かせください。

近藤:そうですね。特に介護業界だと介護福祉士という国家資格があったり、あとケアマネージャーになっていくための介護支援専門員という資格があったりするんですけれども、勉強したいよって言う風に思ってくれた方に対して、本部の会議室を開放して勉強会っていうものをしているんです。全施設対象で参加したい人には参加して頂いているので、横の繋がりができてきているのではないかなって思います。
資格の取得ってすごく大変なんです。勉強も1人でやっていくと、こうだんだん落ち込んでいっちゃったりとかするんですけれども、皆で頑張ろうよっていう風に支え合いながら、当日の試験も朝集まって、じゃ会場に皆で頑張って行こうねとか。結果がどっちであったとしても、お互いにじゃ次はこうやって頑張ろうねみたいに、切磋琢磨して取り組んでくれてるんじゃないかなっていう風に思います。

山内:その資格取得を通して、職員さんの中でも何か絆が生まれたり、新たな団結力が芽生えるみたいな感じなのですね!

近藤:そうですね。それがきっかけで相談がしやすくなったっていうような声もあったりもします。

山内:SDGsの17の目標のうち、何番の何番を達成しているか考えでしょうか?

高田:8番、4番、17番あたりが僕らに関係しているかなとは思います。

山内:ありがとうございました。

小林:今日はNPO法人シンセアさんの取り組みについて、社会、環境、経済の3つの側面からお話頂きました。理事長の高田さん、経営企画戦略室室長近藤さん、ありがとうございました。

高田:ありがとうございました。
近藤:ありがとうございました。

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