お知らせ
ラジオ放送
| 放送日 | 2025年10月20日(月)9:08 (再)2026年1月5日(月)9:08 |
| 学生記者 | 望月桜子、村松季林、塚本紗蘭 |
| 取材先(SDGs推進企業等) | 株式会社アーバンゲート (かぐやの里メモリーホール) |
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取材レポート
村松:株式会社アーバンゲート かぐやの里メモリーホールの代表の 中村雄一郎さんにお話を伺います。
村松:どのような事業をしているのでしょうか?
中村:私たちは、富士市内で家族葬の事業を展開していますご家族と故人が思い出とともに過ごせるように、オリジナルの葬儀のスタイルを提案し、価値あるお別れの場を提供しています。明瞭会計をモットーにしています。

村松:お伺いしたメインの事業が社会的、環境的、経済的にどのように配慮されているのか、それぞれ詳しくお話を伺っていきます。
経済

塚本:ではまず、塚本が経済面について伺います。企業として成長するために意識して取り組んでいることは何でしょうか?
中村:はい。SDGsの9番の産業と技術革新の基礎を作ろうという、SDGsの目標に沿って展開しています。今、家族葬という小さい規模のお葬式が主流になっています。そうするとですね、それぞれのご家族が、お葬式の準備そしてお葬式の段取り、そしていろんな物事を決めたりして、またお坊さんとのやり取り、そして実は終わった後も、保険、年金、銀行口座の凍結、名義の変更や役所手続きいろんな事をご家族が自分たちでやらなきゃいけないと、結構大変ですよね。
もともと葬儀社というのはお葬式の部分だけを担当していたのですが、何をどういう風にしたらいいかわからないというご家族の声、もしくはご本人様の声から、お葬式の前、お葬式の最中、そしてお葬式の後まで全てワンストップでサービスを提供できるように体制を整えております。
塚本:具体的にどのようなことをなさっているのか教えて下さい。
中村:例えば、空き家問題があります。住んでいる人がなくなって住む人がいなくなって、どうしようと考えているうちに何年もたってしまい、結局誰も住まなくなり空き家になってしまう。そのようなことが富士市で課題になっています。それをなるべく早い段階から解決できるように、亡くなった直後の手続きのところでお困りの方には、いち早く不動産の買い取り、完売の仲介をできるように社内体制を整えている。不動産の部門まで葬儀社の中で持っているというのは全国でもすごくまれなケースです。
塚本:ありがとうございました。
環境
村松:村松が環境面についてお伺いいたします。環境への配慮として意識して取り組んでいることは何でしょうか?

中村 :こちらに関してはSDGsの11番の住み続けられる街づくりをという目標を意識して進めています。昨今、お墓の維持管理に困っているという声を非常によく聞いていたので、これから少子高齢化の中でも引き続きお墓を維持できるような室内墓地である納骨堂を今年の一月からオープンさせました。
村松 :納骨堂というのはお骨を保管するところですよね。どうやってお骨を保管するのですか?
中村 :一般的には墓石の下にお骨を入れるというのが一般的だと思うのですが、室内にお骨を保管できる施設を作りまして、室内でお墓参りができるようになっている365日いつ行っても冷暖房が管理されていてバリアフリーで、環境にも人にも優しい施設。場所が実は市役所徒歩圏内に準備させてもらいました。
経済

望月:望月が社会面についてお伺いします。社会的配慮について意識して取り組んでいることは何でしょうか。」
中村:こちらに関してはSDGsの10番の人や国の不平等をなくそうというそんな思いで取り組みをしています。今から14年前の2011年3月11日に起きた東日本大震災の時に、当時は都内の葬儀社に勤めていて、震災の現場に葬祭従事者として現地に行きました。約1か月間そこで活動をしていました。ご遺体を運ぶという業務だったのですが、もう震災の時から一か月以上たったときだったので現地の状態はとても劣悪な状態でありました。何千人という人がまだ身元が完全に判明していない状況であり、そのような状況から一刻も早くご家族と再会してもらいたいという思いで活動を続けていました。その経験から、この富士市でも南海トラフの影響でもし災害があってしまったときに備えて、富士市と災害協定を結ぶということをしてきました。
望月 :協定を結んで感じたことは何かありますか?
中村 :未曽有の災害が起こった時には誰もが何をどうしたらいいかわからないと思っています。それは行政も警察もそうですけど生きている方優先です。ただ亡くなった方をどのように弔ったらいいのかそのようなことを誰かが先導していかなければならないその時に段取りを取らなければいけない多くの死因者、物資などを誰かが整理をしなければならない、そのようなことから私の経験でもし要となれるようにできたらと思いもあり、この協定を結びました。
村松:本日はかぐやの里メモリーホールさんの取り組みについて社会、環境、経済の三つの側面からお話しいただきました。
葬儀も環境の変化、人の変化によって変わることが驚きでした。街中霊園についていとぐちは、お墓で社会的問題も解決できると思いました。そして、震災が万が一起こった時の備えを普段からなさっていることも感動し、みんなで助け合わなければならないことが身に染みて伝わりました。また、私たちも何かできることがあるのではないかと考えさせられました。
SDGsの達成に向け、みんなが全部をすることは難しいと思いますが、気づいたことから率先して行動すれば、きっとより良い未来を手に入れられると思いました。
代表の中村雄一郎さんありがとうございました。
取材後記
経済(村松)
村松:中村さんのお話で記憶に残っているのが、お墓が遠くてお参りやお墓掃除ができないという社会課題です。
放置されたお墓は荒れ果ててしまい、ごみのポイ捨てや火災のきっかけになってしまう。そういった面を解決するために街中に都市型で省スペースの室内型霊園を作り、お墓を自宅の近くに移してもらうことで、放置墓を減らすことを思いついたそうです。
街中霊園のメリットは価格面にもあり、普通のお墓なら80万円から100万円くらいかかってしまう中、街中霊園は30万円で利用することができます。
また、室内なのでお墓の周りの草を取らなくていいし、お花や葉を定期的に変えなくて済みます。お盆の暑い日に苦労してお墓に行かなくても済みます。
以前、お墓のあった場所に別の建物を作っているのを見たことがあり、亡くなった人のお骨をどこに置くのと思っていたのですが、このような街中霊園に少しずつ変わり始めているのかなと思いました。
ほかにも様々なイベントも行っていて、先日は、お人形さんの供養をしたそうです。私の家にもお人形さんがたくさんいるのでこのイベントいいなと思いました。ほかにも会議やイベントなどにも場所の提供をしていたりしていて地域に寄り添っていることがわかりました。
SDGsの目標、住み続けられる街づくりを着々と地域の人たちと進めていっているのが伝わりました。
環境(塚本)
塚本:インタビューの録音の後、中村さんから、葬儀がどのように変わってきたかについて伺いました。昭和には葬儀社はまだ存在せず、地域の人たちが集まりお葬式をしていたそうです。平成になり、葬儀場ができてから、お葬式に不特定多数の参列が増えて参列規模が増えました。
中村さんは、参列する利用者の立場で、これからは逆に小さな式場が求められるのではないかと考えていたとのこと。令和になって新型コロナウイルスが世界中で流行すると多くの人を集めてのお葬式ができなくなり、親戚だけの家族葬が広まっていきました。
昔はいろいろな人に助けられて行っていた葬儀が、家族だけのお葬式となったことで、どうしたらいいのかわからない人が現れると考え、ホームページを作り相談に答えられるようにしておいたそうです。
常に困っている人の立場になり、手を差し伸べる姿勢がお客様の満足度98.4%を達成している背景にあるのだと思いました。また、お葬式にご家族との思い出のものなどを置いておけるというのも一人一人のお葬式を大切に思っているからこそできることだと思った。
社会(望月)
望月:東日本大震災で活動された時の話にショックを受けました。
男性なのか女性なのかよくわからないようなご遺体が各地域の体育館に運ばれる中、多くの人が、自分の家族ではないかとあちこちの体育館を回って、身に着けていたものなどが一致したときに見つかってよかったと泣き崩れていたそうです。
中村さんはこの様子を見て、最後のお別れは大切にしたいと実感したとおっしゃっていました。また、災害時に棺が足りなかったり、ドライアイスが足りなかったりすることで、ご遺族の心理的負担が大きくなることも実感したそうです。
そこで、東日本大震災での震災経験のある50社の葬儀社とネットワークを作り速やかに情報共有や物資の提供ができるように整えているとのことでした。
また、葬儀用のろうそくは備蓄に適しているため、停電時を想定したくさん備蓄するようにしているとのことでした。
