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(ラジオ番組アーカイブ)R6学生記者取材 No.27

放送日令和6年11月13日
学生記者渡邊竣
取材先(SDGs推進企業等)ヤザキ工業株式会社
ラジオ番組アーカイブ

取材レポート

 富士市松岡に本社を置く「ヤザキ工業株式会社」を取材した。ヤザキ工業は、ものづくりに欠かせない金型を製作している。また、その技術を生かし自社ブランド製品の製造にも力を入れる。数年前に新設されたメディカル事業部では、赤ちゃんとお母さんの外出を快適にする「エアーシート」を開発し、富士市のSDGsプロジェクトへの登録も果たす。
代表取締役の矢﨑和宏さんにお話を伺った。

渡邊: ヤザキ工業株式会社メディカル事業部ではエアシートを製造・販売していると伺いましたがどのような商品ですか?
矢崎: はい、ベビーカーで使う赤ちゃん用グッズです。ベビーカーに乗っている状態だと赤ちゃんの背中が密封され蒸れてしまうので、そこに空気を通して湿気を逃がし、赤ちゃんを快適にするための商品です。

渡邊: どのような思いでエアシート事業を始めましたか?
矢崎: 我々は車のエンジンに関わる金型を作っていますが、今後、電気自動車が普及していくと、それだけでは事業が成り立たなくなるという危機感がありました。そこで自社商品を作りたいと思うようになりました。まずは医療機器に関することを勉強し、その中から、一番弱い立場の赤ちゃんを守る商品から始めようと考えました。実は、その頃、私の子どもも一番手のかかる時期を終えた時期だったんです。お母さんの苦労や大変さを見て少しでも力になれるようにと思い事業を始めました。
渡邊: 実体験あっての事業なのですね。実際に製作・販売をして成果は感じましたか?
矢崎: エアシートを使っているお母さんを見た時に、自分たちの作ったものが世の中で使っている方がいるという嬉しさをすごく感じました。ある方からは「今年最強のアイテム!」と言っていただきものすごく嬉しかったですね。困っている人たちに少しでもいい商品を届けたいと改めて思いました。

渡邊: 今後この事業はどのように進めていきたいですか?
矢崎: 僕たちは今、子どもの汗疹に注目しているんです。汗疹ができがちな場所はベビーカーだけではなくて寝ている時やおんぶ、抱っこ紐で抱っこしてもらっている時などいろんな場面があります。でもどうしても、子どもをおろせない時も多くあるのでそういった場面で役に立つような商品にしていきたいです。
渡邊: 最後にエアシート事業を通じてどのような未来を作りたいですか?
矢崎: 繰り返しになるんですけど、お母さんの負担がすごく大きいと僕は感じていて、特にお母さん1 年生の時にはすごくストレスを感じていると思っているんですね。子どもを産んだ瞬間に、隣の家の赤ちゃん、同じ幼稚園のお子さんは?お母さんは?とか自慢の話を聞いたりすると、うちの子どうしてダメなんだろう?とか、私がダメなんだろうかとか。一人で悩んだり、落ち込んだりしてストレスがすごく多いと思うんですよ。だから、子どももお母さんも一緒に笑えて、ストレスのない親子関係が築けるような商品を作りたい。ありがとうの声がエアシートのコミュニティに集まってきたらいいなぁ、なんて思ってます。

今回の取材で、矢崎さんの人の役に立つものを作りたいという思いが強く伝わってきた。
今後、地球温暖化が進むと、赤ちゃんにとってもお母さんにとっても今以上に強いストレスがかかるかもしれない。親子で安心して屋外に出られる未来を作るために、環境に意識を向けていきたいと感じた。

(取材:富士市SDGsプロジェクト学生記者 渡邊竣)

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