お知らせ
放送日 | 令和6年10月8日 |
学生記者 | 熊谷乃音 |
取材先(SDGs推進企業等) | 新橋製紙株式会社 |
取材レポート
富士市依田橋町に本社を置く富士市SDGs推進企業「新橋製紙株式会社」を取材した。新橋製紙株式会社は古紙を100%使用し、トイレットペーパー、ペーパータオルを製造販売する。紙を作る過程で出たペーパースラッジを富士製紙協同組合で運営する焼却炉で燃やし、焼却灰を再利用するなど、古紙を最大限に活かし省資源を徹底するなど環境に配慮した生産活動をしている。
今回は、新橋製紙が「すべての人に健康と福祉を」をテーマに行っている無添加の製品作りについて話を聞いた。
熊谷:新橋製紙株式会社さんは、無添加の製品作りをなさっていると伺いました。具体的にどのような事業かお聞かせください。
山﨑: トイレットペーパーとペーパータオルの生産をしています。その生産に際しまして、製造上使用する薬品の使用量を最小限にするという取り組みを行っています。
熊谷:それが、無添加の製品作りということでしょうか?
山﨑:そうですね。
熊谷:無添加というと食品のイメージが強いのですが、トイレットペーパーやペーパータオルの無添加というのはどういうものですか?
山﨑: 逆に聞くけど食品における無添加ってどういうイメージですか?
熊谷:身体にいいイメージです。
山﨑: トイレットペーパーの用途っておしりを拭くことですよね。トイレットペーパーに何かを添加するというのは、匂いを付けたり、色を付けたり、おしりを拭く用途以外をプラスしている事なんです。
熊谷:なるほど、無添加ということはそういうものを使っていないということなんですね。どのような思いで取り組みを始めたのでしょうか。
山﨑:お客様から「化学物質過敏症だけど、病院で使った新橋製紙さんの製品は症状がでない」というお話を聞いて自社の魅力に気づきました。あまり聞いた事はないかもしれないけど、化学物質過敏症とは、香料や接着剤など化学薬品で体調不良や肌荒れを引き起こしてしまう症状のことです。
熊谷:聞いた事あります!
山﨑:日本に健在的、自覚している人が100万人いて、潜在的、自覚症状はないけどそう感じる人は1000万人いるそうです。つまり日本の人口の8%は化学物質過敏症の可能性があるということです。
熊谷:人口の8%と聞くと多いように感じます。お客様からの声で自社の魅力に気づいたということですが成果を感じることはありますか?
山﨑: 化学物質過敏症の方から電話があるんです。ネットで見つけて電話しましたっていう方が多いです。その方にサンプルをお渡しして使ってもらってるんです。よかったって言ってくれる声が多いんですよね。
熊谷:そうなんですね。やりがいを感じることができますね。
山﨑: はい。よかったって声が2人増えました、3人増えました、という話をこうして発信すると困ってる人の目につきますよね。困ってる方に寄り添える企業になりたいなって思ってきたのが少しずつ叶ってきています。
熊谷:素晴らしいです。無添加の製品作りを通してどのような未来を作りたいとお考えですか?
山﨑: 薬品や匂いが悪であると言っているわけではございません。「自分の使っている物がもしかしたら影響があるかもしれない」、「隣にいる方が化学物質過敏症かもしれない」、といった思いやりの心が広がっていけば嬉しいです。
熊谷:本日は、ありがとうございました。
山﨑:ありがとうございました。
無添加の製品作りを通じて新橋製紙さんはSDGsの17の目標3「すべての人に健康と福祉を」を実現していると感じた。また、化学物質過敏症の方に寄り添うこと大切にしていることからSDGsの理念「誰一人取りのこさない」も実現していると思った。
今回の取材を通じて「まず知る」ことがSDGsの理念「誰一人取りのこさない」に繋がると知った。知るためには、ただ受け身でいるのではなく自分から行動し積極的に情報を集める必要がある。もっともっと富士市のこと、生活のことについて知っていきたいと感じた取材だった。
(取材:富士市SDGsプロジェクト学生記者 熊谷乃音)