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(ラジオ番組アーカイブ)R6学生記者取材 No.4

放送日令和6年9月23日
学生記者高岡実優
取材先(SDGs推進企業等)わかば高等学院併設 放課後等デイサービスななごうめ つくば
ラジオ番組アーカイブ

取材レポート

 富士市SDGs推進企業「わかば高等学院併設 放課後デイサービスななごうめ つくば」を取材した。福祉の視点から持続可能な社会づくりに挑戦している事業所である。
先日、株式会社ESの代表取締役でいらっしゃる遠藤光彦さんにお話を伺った。

高岡:まず、「ななごうめ」という名前にした由来について教えていただけますか?
遠藤: 富士山の五合目までは車で行けますよね。社会においてもほぼ半分くらい、車の自動運転の様に誰でも簡単に、同じように行えるようになっていると思います。でもやはりその先は、なかなか大変です。そこで、五合目より上の七合目までは私達と協力し合って共に登ろうという思いを込めました。また、挫折してしまった際は、下山するように戻れる場所でありたいという願いから「ななごうめ」と名付けました。そして、もう一度力を蓄えて、八合目に向かう一歩目を力強く踏み出してほしいと思っています。

高岡:「福祉と教育で魅力ある地域づくりへ挑戦している」とお聞きしましたが、具体的な事業について教えてください。
遠藤: 通信制の高校生の生徒が、公立小中学校へボランティアで奉仕作業を行うという事業です。発達障害児の療育を目的とした放課後等デイサービスを運営する上で、対人関係などのコミュニケーションに問題を抱えた子どもに対して、特性に合った支援をしたいと考えた時、ボランティアは最適だと思ったのです。一方で、学校は人手が足りないという課題を抱えています。そこで双方の解決のために、このような事業を始めました。
高岡:課題の発見があったのですね。
遠藤:以前私は、訪問リハビリマッサージという人の最期に携わる仕事を行っていたのですが、法改正などで続けることが困難になり、次は、人の「始まり」を支援したいと思っていた頃でした。そこで、子どもを対象とした福祉事業を始めました。一貫して福祉事業を展開している理由は、人対人の仕事をすることが好きだったからですね。
高岡:現在の課題や苦労していることなどありますか?
遠藤:この事業を知ってもらうということが課題です。現状は、必要な人に必要な情報が届けられていません。知ってもらうために、富士市と沼津市の中学校へ行き、先生に説明しています。毎年行うことで定着するので、認知度を上げるために今は走り続けたいです。

高岡:取り組みを通じてどのような未来を作りたいとお考えでしょうか?
遠藤: 将来的にここを卒業したOBによる会を開き、当事者の口から小学生や両親に、現在素敵な生活を送れていることを発信してほしいと思います。これから利用しようとする親子さんに安心感を与えたいと考えています。
利用者による学校ボランティア奉仕活動については、まず富士市の小中学校の奉仕作業を通じて、達成感や成功体験を積んで欲しいと考えています。小中学校時代、不登校気味だった生徒が、この活動によって自己肯定感と、「学校」に対しての印象が変わってくれるといいなと思います。そして、この奉仕活動をすることで地域や学校とのコミュニケーションを取れるようになって欲しいと思います。この事業は始まったばかりであるため、子どもたちの思いを学校や先生地域住民に知っていただきたいです。
高岡:本日は、ありがとうございました。
遠藤:ありがとうございました。

発達障害を抱えた子どもは、集団でのコミュニケーションを取ることが難しく、不登校になってしまうケースが多い。そのような家族の未来の選択肢を増やすため、「福祉と教育で魅力ある地域づくりへ挑戦」することの重要性を実感した。この事業は、始まったばかりであり、興味を持った方がいたらぜひ利用を検討してほしいと感じた。
(取材:富士市SDGsプロジェクト学生記者 高岡実優)

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