お知らせ
放送日 | 令和6年10月30日 |
学生記者 | 鈴木真子 |
取材先(SDGs推進企業等) | ジヤトコ株式会社 |
取材レポート
富士市に本社を構え、国内外に開発拠点生産拠点を持つ、富士市SDGs推進企業「ジヤトコ株式会社」を取材した。ジヤトコは車のトランスミッションを製造する会社。持続可能な生産体制の確立に加え、地域貢献の取り組みを熱心に行っており、SDGsを意識した活動も継続的に実施している。2021年に新規事業としてスタートしたジヤトコグリーンファームと呼ばれる水耕栽培工場で収穫されるレタスを、2023年に「ジヤトコ野菜バンク」という名前で必要とする人に届ける活動を始めたとのことで、JEPS統括部 課長補佐の黄川寿さんにお話を伺った。
鈴木:ジヤトコさんは自動車の部品の開発や製造を行っていらっしゃいますよね。なぜ野菜づくりを始めたのですか?
黄川:ジヤトコのノウハウを生かして水耕栽培の工場を立ち上げ、地元の障がい者を雇用して、できた野菜を必要としている方々に届けようという思いで始めました。日本の農業の食料自給率を上げようと思ったのもきっかけの一つです。
鈴木:生産している野菜は販売しているのですか?
黄川:はい。1日40株ほど収穫するのですが、社内での販売や社員食堂でサラダとして利用させてもらっています。また、特別支援学校や子供食堂、生活困窮者に無償で提供しています。
鈴木:製造業やモノづくりの技術は、水耕栽培でどのように生きていますか?
黄川:工場の中に重いものを簡単に上げ下げできる機器などがあります。こういった生産ラインの設計や施工は自社で行うこともあるのですが、こういったノウハウを水耕栽培の工場の中でも生かしています。誰でもできるわけではなく、モノづくりをやっているいつからこそできることだと思います。
鈴木:新しい事業を行うにあたり、何か困ったことはありましたか?
黄川:最初は野菜を育てる知識が全くなかったので、自分たちで調べたり、試行錯誤しました。安定的に生産ができるまでが一苦労でした。障がい者の従業員の教育に関しては、本業でも雇用をしていましたので困ったことはありませんでした。
鈴木:障がい者の従業員の方は野菜工場でどのような仕事をしていますか?
黄川:現在従業員が5人いて、そのうちの3人が障がい者なのですが、種まきから出荷まで行っています。パネルの交換や水のバイオ液の調整、清掃、一通り全て任せています。
鈴木:「ジヤトコ野菜バンク」を通じてどのような未来を作りたいですか?
木川:余力のある人や会社が手を出して、必要とされる方に必要なものを届けられる社会を作りたいですね。
鈴木:本日は、ありがとうございました。
黄川:ありがとうございました。
インタビューを通して、必要な人に必要な食料を届けたいという思いが伝わった。また、モノづくり企業のノウハウが、障がいを持つ従業員の方の安全な労働環境づくりと前向きな気持ちで働ける意欲づくりに大きく貢献していることも分かった。モノづくりの技術が「必要なものを必要な人に」の実現に生かされているのは素晴らしいと思った。
(取材:富士市SDGsプロジェクト学生記者 鈴木真子)