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(ラジオ番組アーカイブ)R6学生記者取材 No.9

放送日令和6年10月2日
学生記者鈴木愛華
取材先(SDGs推進企業等)東京電力パワーグリッド株式会社 富士支社
ラジオ番組アーカイブ

取材レポート

 富士市SDGs推進企業「東京電力パワーグリッド株式会社」を取材した。
 関東1都6県と、山梨県、静岡県東部にある送配電線を保全し電力を安定供給しており、様々な地域貢献活動もしている。
 今回は「予防伐採」と「停電を減らすための通報システム」について、富士制御所配電保守グループ保全チームメンバーの勝又公大さんに話を伺った。

鈴木:SDGs事業一環として、予防伐採をなさっているとお伺いしました。具体的にどのような取り組みなのでしょうか。
勝又:東京電力パワーグリッドでは、皆さんの家の近くの電柱や電線を使って、皆さんのお宅や会社、工場など電気を使用する方へ広く電気をお届けしています。その電線に触れてしまう可能性がある木の枝や、倒木の危険性のある樹木をあらかじめ早めに伐採することで、停電や道路の寸断を予防する伐採事業です。
電線の近くの樹木が電線に接触し傷つけてしまったり、倒木してしまうと電柱までなぎ倒してしまことがあり、復旧まで長時間の停電になってしまうこともあります。
停電や倒木を未然に防止するために、電線に接触する可能性のある木を早めに伐採しておく必要があります。

鈴木:どのような思いで取り組みを始めたんですか?
勝又:東京電力パワーグリッドは、お客さまへ安全で安定した電気をお届けすることが使命です。2019年の台風15号では、東京電力パワーグリッドサービスエリア内で約93万戸が停電し、倒木によって約2000本もの電柱が倒壊してしまいました。関東を含む供給エリア全体で停電解消までに約16日間という日数を要しました。こうした過去の災害の経験もふまえ、倒木や樹木接触リスクの高い場所を事前に特定し、伐採することで停電や道路の寸断のリスクを減らすことが目的です。
鈴木:この活動を通して、成果や効果を感じることはありますか?
勝又:今まで木が倒れることによって停電が多かった地域では、予防伐採を実施して以降、自治体や住民の皆様から「停電しなくなった」「道路が明るくなった」とお声掛けいただくと、予防伐採してよかったと実感します。
鈴木:さらに取り組みを進めるための課題はなんでしょうか?
勝又:自治体が実施する伐採には、多くの住民の皆様からの要望が寄せられるそうですが、その全てを一気に伐採することはできません。双方のニーズが一致する場所を協働で伐採したいところですが、伐採費用も多くかかることから、自治体とも協議しながら、優先順位を付けてしっかり対応していく必要があります。
鈴木: 私たち市民も停電を防ぐためにできることはありますか?
勝又:所有されている敷地の樹木が電線と接触しそうな場合は、2m以上の距離を保てるように、植木屋さんなどの専門家に相談してみて下さい。東京電力パワーグリッドにご要請いただき、電線を保護する防護管を取付けて、安全な状態にしてから伐採していただくようになります。
また、ドライブやお散歩など外出された際、接触もしくは倒れそうな木を見つけたら、写真を撮って東京電力パワーグリッドの通報サービス「TEPCO スナップ」でご連絡いただけると助かります。

鈴木: 予防伐採を通じて、どのような未来を作りたいと考えていますか?
勝又:東京電力パワーグリッドは、皆様が「安心で快適なくらしができる社会」を作りたいと考えています。そのために、災害時に強い電力系統を構築することで、信頼され、選ばれ続ける企業を目指しています。その実現の一つの方法として、予防伐採をこれからも推進してまいりますが、地域や自治体の皆様にご協力をいただきながら、 極力停電を発生させない、レジリエンス力の高いまちづくりに貢献していきたいと思います。

取材を通して、普段何気なく見ている風景を、予防伐採という視点から見ることが必要だと感じた。もしかしたら、今もどこかで停電が発生し、原因となるものを私は見ていたのかもしれない。今1度、自分の周りにある電柱や電線を確認し、TEPCOスナップという私たち住民にもできることで、安心で快適なくらしに貢献していきたい。

(取材:富士市SDGsプロジェクト学生記者 鈴木愛華)

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