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(ラジオ番組アーカイブ)学生記者取材 No.12

放送日令和5年11月27日
学生記者原菜乃葉
取材先(SDGs推進企業等)東洋レヂン株式会社
ラジオ番組アーカイブ

取材レポート

取材したのは富士市SDGs推進企業の東洋レヂン株式会社。東洋レヂン株式会社は、富士市に本社、工場を置く医療機器・医療部品メーカーだ。プラスチックの加工、着色を請け負うほか、富士市の製紙業のノウハウを活かした植物由来のセルロースナノファイバー(CNF)を用いて3Dプリンターの材料も開発している。
東洋レヂンは、吉原工業高校を3DプリンターでサポートするというSDGs事業にも取り組んでいる。技術開発部・取締役部長の井出康太さん(以下敬称略)にお話を伺った。

原:東洋レヂンさんはSDGs事業として、3Dプリンターで高校生のものづくりをサポートなさっていると伺いました。具体的にどのような事業かお聞かせください。
井出:3Dプリンターを使う上で材料となる「フィラメント」を提供して、さらに高校生の授業に参加させていただくことで、高校生の新しいアイデアをもとに、一緒にものづくりをするという取り組みを行っています。
原:この取り組みを始めたきっかけなどはありますか。
井出:ある展示会で工業高校の先生とお話ししたときに、3Dプリンターを所有してはいるが、台数不足や教え方や扱い方が難しいなどの問題があり、上手く活かしきれていないと聞きました。普段3Dプリンターを扱う我々のようなプロが実際に高校に支援に行くことで、先生方の悩みを解決できるのではないかと考えて、富士市役所や校長先生をはじめとする先生方に提案いたしまして、プロジェクトが実現しました。

原:この取り組みを行う中で成果を感じる瞬間はありますか。
井出:たとえば、企業が高校に突発的に授業や講演をするようなことはあるでしょうが、我々のような企業と高校が一年間かけて一緒にプロジェクトに取り組むということは全国的にも珍しいことだと思います。この試みが上手くいけば、将来的には別の地域でも地元の企業と地元の工業高校が組んで取組を行っていくようなことも考えられるのではないでしょうか。

原:今後この事業を進める上での課題や、これからの目標などがあればお聞かせください。
井出:今年はまだ始まって一年目ですので、我々会社も工業高校さんも手探りの状態です。ですので、毎日がもっとこうしたほうがいいね、というような課題や改善の繰り返しです。来年以降、プロジェクトが継続できれば、ブラッシュアップして進めていきたいです。
原:この高校生のものづくりをサポートする取り組みを通じて、どのような未来を作りたいとお考えでしょうか。
井出:このものづくりのまちである富士市がさらに発展していけばと考えています。我々のような中小企業が教育機関と手を組んで、オープンイノベーションな取り組みをしていくことで、富士市全体がさらに盛り上がっていくのではないかと思います。

3Dプリンターはアイデアを形にできる画期的な技術だが、新しいために扱いが難しい。企業が次世代を担う高校生を支援することで、未来の発展につながるだろう。
(取材:富士市SDGsプロジェクト学生記者 原菜乃葉)

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