お知らせ
ラジオ放送
| 放送日 | 2025年10月27日(月)9:08 (再)2026年1月12日(月)9:08 |
| 学生記者 | 廉 東和、杉本夏祭、鈴木優介 |
| 取材先(SDGs推進企業等) | 株式会社セイコークリエイト |
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取材レポート
廉:工学部 1年の廉東和です。
鈴木:理工学部 1年鈴木優介です。
杉本:経営学部1年の杉本夏祭です。
廉:今日、私たちはセイコークリエイトさんに来ています。
SDGsの目標達成に向けセイコークリエイトさんがどのような取り組みをなさっているのか、代表取締役の中村佳克さんにお伺いします。中村さんよろしくお願いいたします。
中村:よろしくお願いします。

廉:まずセイコークリエイトさんのメインの事業についてご紹介いただけますでしょうか。
中村:セイコークリエイトは、さまざまな工場の省力化・自動化設備の設計・製作を手がけています。具体的には、たとえば「ねじを取り付ける工程」を自動で行う機械や、接着剤を正確に塗布する装置、さらに製品に傷がないかを自動で検査する装置など、これまで人が手作業で行っていた工程を代替する機械の開発を行っています。こうした設備により、作業の効率化や品質の安定化、人手不足の解消などに貢献しています。
環境

鈴木:では、まず、鈴木優介が環境面について伺います。
環境への配慮について意識して取り組んでいることは何でしょうか。
中村:私たちセイコークリエイトは、製造業として日々さまざまな材料を使用しながらものづくりを行っています。例えば、鉄・アルミ・ステンレスといった金属類を加工したり、電線をカットして用いたりする中で、当然ながら多くの廃材が発生します。
こうした廃材をそのまま廃棄するのではなく、環境への影響をできる限り減らすために、素材ごとに丁寧に分別し、リサイクル可能な形でまとめて廃材処理を行っています。特に金属類は再資源化が可能なため、リサイクル業者との連携を通じて、可能な限り再利用されるような流れを意識的に構築しています。これにより、限られた資源の有効活用と廃棄物の削減の両立を図っています。
鈴木:働きやすい環境づくりという点で意識して取り組んでいることは何でしょうか。
中村:当社は製造業という性質上、工場を構えて日々の業務を行っているのですが、工場特有の課題として「空調の難しさ」があります。工場は天井が高く、熱がこもりやすいため、一般的な空調設備だけではなかなか快適な環境を保つのが難しいのが実情です。
そこで、私たちは少しでも働きやすく、かつ環境にも配慮した空間をつくるために、いくつかの工夫を取り入れています。具体的には、工場の屋根全体に「遮熱シート(灼熱シート)」を施工することで、直射日光による熱の侵入を軽減しています。さらに、大型の換気扇を設置し、こもった熱気を外に逃がしながら、新鮮な空気を取り込めるようにすることで、作業環境の改善と省エネの両立を目指しています。
これらの取り組みによって、社員の健康や集中力を守ると同時に、エネルギー消費を抑えたエコな工場運営を実現することができています。まさに「働きやすさ」と「環境配慮」を両立するための工場づくりを意識しているといえます。
鈴木:これらはSDGsの17の目標のうち、何番の達成を目指している活動だとお考えでしょうか。
中村:私たちの取り組みはSDGsの目標12番、「つくる責任、つかう責任」に該当すると考えています。ものづくりを行う企業として、環境への責任を果たすことは当然のことですし、それを実現するための仕組みや意識を現場全体で共有しながら、持続可能なものづくりを推進していきたいと考えています。
社会
杉本:続いて杉本夏祭が社会面について伺います。
社会的配慮について意識して取り組んでいることは何でしょうか?
中村:はい、私たちセイコークリエイトが社会的配慮として特に意識して取り組んでいるのは、「社員の教育」です。ものづくりの現場では、人材こそが最大の財産だと考えており、一人ひとりの社員が成長できる環境を整えることを大切にしています。
杉本:技術者の育成とはどんなことをされていますか?

中村:育成においてまず大事にしているのは、OJTによる実践的な指導です。ベテランの技術者が若手と一緒に仕事を進める中で、現場での経験やノウハウを自然と伝えていくことを意識しています。また、それと同時に、あえてチャレンジングな業務に取り組んでもらうようにもしています。いままでの仕事よりも一段階高いレベルの業務に挑むことで、学びや失敗を通じて技術者としての成長を促しているのです。
杉本:技術者エンジニアの方がモチベーションを保つための工夫は何かされていることはありますか?
中村:技術者のモチベーション維持も非常に重要なテーマと捉えています。多くの企業では、年齢を重ねると管理職に移行し、実務から離れてしまうケースもありますが、当社では「テクニカルサポート事業」を展開しており、ベテランの技術者が実務の第一線で活躍し続けられる仕組みを整えています。これは、簡単に言えば技術者の派遣事業に近い形なのですが、経験豊かな技術者がその技術をフルに発揮できるよう、取引先で活躍する場を確保することで、専門性を活かしながら長く活躍できる環境づくりを目指しています。
杉本:女性やシニアなど、多様な人材の技術者が活躍できるような環境づくりについて、何か工夫されている点はありますでしょうか?
中村:当社はエンジニアリング会社として、さまざまなバックグラウンドを持った人材が活躍できる組織を目指しています。現在、社員数約40名の中で2名の女性エンジニアが活躍してくれています。エンジニアリングの現場では、女性ならではのきめ細やかな視点や配慮が求められる場面も多く、今後さらに女性技術者の採用を強化したいと考えています。その一環として、広報や採用活動も、現役の女性社員2名に担当してもらい、応募者がより安心してエントリーできる環境づくりに努めています。
杉本:地域に対して行っている取り組みは何かありますでしょうか
中村:地域とのつながりも大切にしています。定期的に社員同士の交流を兼ねて、会社周辺の清掃活動を実施しています。ウォーキングをしながら、みんなでゴミ拾いを行うことで、地域貢献とコミュニケーションの促進を同時に図っています。小さなことかもしれませんが、地域に根ざした企業として、こうした積み重ねを大切にしています。
杉本:SDGsの17の目標のうち、何番の達成を目指している活動だとお考えでしょうか。
経済

廉:続いて、廉東和が経済面について伺います。
企業として成長するために意識して取り組んでいることは何でしょうか?
中村:私たちセイコークリエイトは、工場の省力化・自動化設備の設計・制作を手がけています。近年、経済産業省が発表しているデータによれば、日本国内のロボット市場は現状で約5兆円規模とされており、2035年には約10兆円にまで成長する見込みです。それだけ技術の進歩が著しく、ロボットが使われる現場も今後さらに広がっていくことが予測されます。
そうした中で私たちは、日々進化する技術を柔軟に取り入れながら、地域経済とともに歩むものづくり企業としての使命を大切にしています。日本は人口減少が進むなかで、これからますます「人手不足」が深刻化していきます。だからこそ、人の手が届きにくくなる部分をロボットや自動機械が補う役割が重要になってきます。私たちはそうした時代背景を見据え、技術を磨きながら自動化設備を通して、地域の産業が衰退することなく、持続的に発展していけるよう貢献していきたいと考えています。
廉:企業として、成長するために、一番大切なことは何ですか?
中村:それはやはり「人」だと思います。セイコークリエイトは、例えば設備投資だけで成長していくような会社ではありません。私たちは“エンジニアリング集団”であり、人の技術力や成長こそが、会社全体の成長につながっていくと考えています。
だからこそ、社員一人ひとりが前向きに挑戦できるような環境づくりを大切にしています。具体的には、チャレンジングな案件に取り組む機会を積極的に提供したり、必要に応じて外部研修やメーカー研修にも参加してもらえるような体制を整えています。人が成長すれば、必ず会社も成長する——それが私たちの根本的な考えです。
廉:SDGsに取り組むにあたって、どんな経済的なメリットがありますか。
中村:SDGsに取り組むことで、例えば環境に配慮した活動を行う中で、電気代の節約といった直接的なコスト削減につながることもあります。また、「経済成長に貢献する」という意識を社員が持ちながら業務に取り組むことで、結果としてより質の高い自動化設備を生み出すことができるようになります。
こうした製品や技術は、当社だけでなく、協力会社様やお客様全体の成長にも寄与します。SDGsをただのスローガンとして終わらせず、日々の仕事に自然に組み込んでいくことで、私たちはより強固な経済的基盤を築いていると感じています。
廉:SDGsの17の目標のうち何番の達成を目指している活動だとお考えでしょうか。
中村:私たちは、特に「8番:働きがいも経済成長も」、そして「17番:パートナーシップで目標を達成しよう」の2つに重きを置いています。社員が誇りをもって働ける環境づくりと、関係企業との連携による成長の両立をこれからも大切にしていきたいと考えています。
廉今日は、セイコークリエイトさんの取り組みについて、社会、環境、経済の3つの側面からお話をいただきました。代表取締役の中村さんありがとうございました。
