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富士信用金庫 チェンジメーカーインタビュー

ラジオ放送

放送日2025年9月22日(月)9:08
(再)2025年11月23日(月)9:08
学生記者鈴木愛華、伊藤愛里華、岡嵜成美
取材先(SDGs推進企業等)富士信用金庫

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取材レポート

岡嵜:こんにちは、グローバル共創科学部3年岡嵜成美です。

伊藤:外国語学部2年伊藤愛里華です。

鈴木:家政学部2年鈴木愛華です。

岡嵜:今日、私たちは富士信用金庫に来ています。SDGsの目標達成に向け、富士信用金庫さんがどのような取り組みをなさっているのか、業務部地域サポート課課長代理佐野陽子さんにお伺いします。佐野さん、よろしくお願いいたします。まず、富士信用金庫さんのメインの事業についてご紹介いただけますでしょうか。

佐野:はい。地域の皆様からお預かりした資金を地域の皆様に融資することにより、地域経済の活性化や地域の皆様の豊かな生活の実現を図る相互扶助、非営利を基本理念とした地域の金融機関です。どのようなことをしているか具体的にお話ししますと、皆様からお預かりした大切なご預金を、家を建てたい人、新しく事業をスタートする人など、お金が必要な人に貸して地域内でお金を血液のように循環させています。預金や融資以外にも、為替というお金の送金や保険や国債の販売、投資信託等の資産形成のお手伝いもしています。また、経営上の課題を抱えるお客様に寄り添うため、伴走支援の充実を図り、外部機関と連携を図るなどの支援を拡充し、取引先から多種多様なニーズに対応すべく支援を拡充しています。

岡嵜:では、ここから今お伺いしたメインの事業が経済的、環境的、社会的にどのように配慮されているのか、それぞれ詳しくお話を伺っていきます。

経済

岡嵜:経済面について伺います。企業として成長するために意識して取り組んでいることは何でしょうか。

佐野:はい。2点ほどありまして、ビジネスマッチングとふじしん若手経営塾です。

岡嵜:ビジネスマッチングとはどのような事業なのですか。

佐野:信用金庫は全ての都道府県に合わせて250金庫ほどあります。信用金庫が持つつなぐ力を活かし、取引先に各種ビジネスマッチング商談会の案内や出展支援を行っています。ビジネスマッチングとは、企業や団体が製品やサービスの販路拡大、業務提携先を探すことを目標として商談の機会を設けることです。売り上げアップや新規事業開拓のために、企業が他の企業と商談する機会を設け、ビジネスマッチングを利用することで自社の課題を解決するためのパートナーを見つけることができます。当金庫も毎年複数のビジネスマッチングに参加しています。11月には、静岡県東部4信金、富士信用金庫、沼津信用金庫、三島信用金庫、富士宮信用金庫が主催するビジネスマッチングが行われます。発注企業100社、受注企業200社が参加する大きなイベントです。首都圏や大都市圏に商品PRや販路を拡大したい方は、東京や名古屋のビジネスマッチングに参加することもできます。

岡嵜:企業同士をつなぐことで取引先やお客様を盛り上げているのですね。それでは、次にふじしん若手経営塾についてお伺いしたいのですが、そちらは具体的にどのような取り組みなのですか。

佐野:富士市信用金庫の取引先で次の社会を担う経営者や事業継承予定者を対象に顧客組織「ふじしん若手経営塾」を設立し、当金庫が事務局として運営に携わっております。設立3年目で、経営者としての意識醸成を目的とした各種交流イベントを定期的に開催し、現在会員60名余りの組織として活動しています。

岡嵜:経営塾と聞くと大学のように講師の人が来て講演会やセミナーを行うというイメージがあるのですが、実際にはどのような活動が行われているのですか。

佐野:もちろん知識をつけるために講演会やセミナーも行いますが、交流のためにゴルフコンペやフットサルを行ったり、ディスカッションをして意識を高めたりと、経営塾で学んだことを会社に戻って実践してもらえるような取り組みを行っています。

岡嵜:なるほど、将来のことも考えた活動なのですね。このように金銭面の支援だけでなく、様々な方向性の事業を行うことで、会社を成長させるとともに、地域を支えていることがわかりました。それでは、SDGsの17の目標のうち、ビジネスマッチングとふじしん若手経営塾はそれぞれ何番の達成を目指している活動だとお考えでしょうか。

佐野:両方共通はするんですけれども、8番(働きがいも経済成長も)、9番(産業と技術革新の基盤をつくろう)、17番(パートナーシップで目標を達成しよう)です。

岡嵜:やっぱり経済成長だけでなくお客様との関わりも大事ですよね。ありがとうございました。

社会

伊藤:続いて、伊藤が環境面について伺います。初めに、環境への配慮について意識して取り組んでいることは何でしょうか。

佐野:はい、まず窓口においてなんですけれども、伝票レス化、インターネットバンキングや通帳レス口座を行っています。窓口にタブレットがありまして、伝票を書かなくても、タブレットで署名してもらい入金や定期預金の作成、振り込みもできます。通帳レス口座は通帳の紙媒体ではないんですけれども、携帯電話のアプリで通帳の動きを確認することができます。紙媒体の通帳だと、窓口はATMで記帳しないと入出金の動きがわからないんですけれども、通帳レスだといつでも携帯電話で確認することができます。
また、脱プラスチックを推進するために、紙性のクリアファイルや証書袋、あと、セルロースファイバー複合樹脂を使用したカルトンも利用しています。また、2024年5月に県内金融機関などが連携する官民組織「しずおかカーボンニュートラル金融コンソーシアム」に参画し、県全体で脱炭素への取り組みを推進しています。カーボンニュートラルといいますのは温室効果ガスの排出量を吸収量と均衡させて、実質的な排出量をゼロに抑えるという概念です。コンソーシアムというのは、共通の目標を持つ複数の組織が協力するために結成する共同体のことをいいます。アンバサダー的な役割で、富士信用金庫でも脱炭素に関する専門人材の育成については、多くの職員が資格取得に挑戦し、最終的に富士信用金庫全職員が取得を目指しています。職員が資格を取ることによってお客様が設備を入れ替える際、脱酸素に向けてのご案内、また設備変更に対する融資のお話がスムーズにできると考えています。この取り組みは、全国でも初めての取り組みです。

伊藤:そうなのですね。全職員が資格を取得ということで、すごい目標だと思うんですけれども、そういった目標に向かってどのような教育制度がなされているのですか。

佐野:はい。まず問題集は配布されるんですけれども、希望の職員に関してはこれに関連した通信講座を受講することができます。通信講座のテキストを受け取りまして、携帯電話・ネットでテストを2回提出してその通信講座合格・終了という形になります。

伊藤:佐野さんが資格勉強されている真っ最中というのをお伺いしたんですけれども、資格を取る前と、今勉強している最中で、脱炭素への意識って何か変わりましたか。

佐野:そうですね。私も来月に資格試験を受験するんですけれども、やっぱり今までは「脱炭素」という、もちろん言葉は知っていてもどういう支援ができるのか、金融職員がどういう風に関われるのかはよくわかってはいませんでした。ですが、その資格試験の勉強の中でこういう過程で今脱酸素が必要で、私たち金融機関ができることは、お客様へ提案をして、サポートするということの必要性を学ぶことができました。

伊藤:資格勉強頑張ってください!ではSDGsの17の目標のうち、こちらは何の達成を目指している活動でしょうか。

佐野:はい。7番(エネルギーをみんなにそしてクリーンに)、11番(住み続けられるまちづくりを)、13番(気候変動に具体的な対策を)、17番(パートナーシップで目標を達成しよう)です。

社会

鈴木:続いて、鈴木が社会面について伺います。社会的配慮について意識して取り組んでいることはなんでしょうか。

佐野:はい。地元富士市の公共交通を支援するため、富士市役所や市内交通事業者と連携し、高齢者向けの「公共交通プラチナ回数券」の販売や、その管理業務を行っています。

鈴木:その「公共交通プラチナ回数券」と言うのは、一体どんなものなんでしょうか。

佐野:「公共交通プラチナ回数券」とは、70歳以上の高齢者向けのチケットで、富士市内のバス・タクシー・鉄道など複数の公共交通機関で利用でき、最大1万円分の利用券を半額で販売しています。このチケットはもともと利用者と事業者が紙でやり取りをし、事務処理で年間50万枚のチケットをチェックしなければなりませんでした。そこで、チケットに二次元コードを付けることにより、事務処理のデジタル化推進と事務局運営による事業の中立性と継続性確保を行いました。人で不足の中、交通事業者の皆さんの事務処理負担の軽減にも努め、富士信用金庫が事務局運営となり、市内交通事業者13社と任意団体「富士市公共交通促進組合」を設立しました。現在も回数券のデジタル化を通じ、交通事業者の皆さんの事務処理負担の軽減にも努めています。

鈴木:富士信用金庫さんは組合の中でも中心部なんですね!では、「公共交通プラチナ回数券」はどこで販売されているのですか。

佐野:チケットは公共交通機関の営業所と、特定の地域で販売していたんですけれども、一部のまちづくりセンター、当金庫の本店、岩松、広見町、森島、大渕長野支店で販売しています。当金庫の5店舗の設定にあたりましては、従来の交通事業者が販売している地区が被らず、市民が均等にサービスを受けられるよう配慮しました。

鈴木:では、SDGsの17の目標のうち、こちらは何番の達成を目指している活動だとお考えでしょうか。

佐野:11番(住み続けられるまちづくりを)です。

鈴木:地域の方との共同が大切なんですね。ありがとうございました。

岡嵜:今日は富士信用金庫さんの取り組みについて、経済、環境、社会の3つの側面からお話しいただきました。業務部地域サポート課課長代理佐野陽子さん、ありがとうございました。

佐野:ありがとうございました。

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