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株式会社加藤材木店 チェンジメーカーインタビュー

ラジオ放送

放送日2025年9月15日(月)9:08
(再)2025年11月24日(月)9:08
学生記者吉野来南、吉澤真璃菜、福島凜香
取材先(SDGs推進企業等)株式会社加藤材木店

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取材レポート

(吉野)こんにちは。

(加藤さん)こんにちは。

(吉野)グローバル共創科学部2年の吉野来南です。
(福島)人間科学部2年の福島凛花です。
(吉澤)グローバル共創科学部2年の吉澤真璃菜です。

(吉野)今日、私たちは株式会社加藤材木店さんに来ています。SDGsの目標達成に向け、加藤材木店さんがどのような取り組みをなさっているのか、代表取締役の加藤敬史さんにお伺いします。加藤さんよろしくお願い致します。

(加藤さん)よろしくお願いします。

(吉野)まず、株式会社加藤材木店のメインの事業についてご紹介いただけますでしょうか。

(加藤さん)はい。弊社では、住宅の設計や施工、また店舗の設計や施工など建築業を生業としております。

(吉野)ありがとうございます。ではここから今お伺いしたメインの事業が社会的・環境的・経済的にどのように配慮されているのか、詳しくお話を伺っていきます。

環境

(福島)ではまず、福島凜香が環境面について伺います。加藤材木店さんは、環境への配慮についてどのようなことを取り組んでいますか。

(加藤さん)はい。まず建築という行為そのものがとても環境負荷が高く、一度建ててしまうとそれをまた壊すというのが非常に難しくなってきますので、まず建てる時に、環境面での配慮をします。
富士はすごく森林が多いので地域の材料を使ったりですとか、なるべく環境負荷が低い材木、特に地域材である富士ヒノキなどを使って建てていますね。富士市では富士ヒノキという木材が、特に富士山周辺の地域でブランド化していて、その木を使おうという動きがあるので、構造材と言われている柱なんかにはそういった富士ヒノキを使うよう心がけています。
また、弊社で建てる家は高気密高断熱を当たり前としています。住宅業界では法律が改正されて、家の断熱性能についての基準が法律で設けられたんですね。暮らしの中で使われるエネルギーを極力少なく、それでいて快適に住めるような質の良い家づくりというのを目指して建築に携っております。例えばこの建物も25年前の建物なんですけど、そんな暑くはないと思うんですよね。このような形で、断熱材などを使って家の性能を上げることで環境負荷が減るので、そのような取り組みを意識的にしていますね。建てる時と建てた後もというところですかね。

(福島)ありがとうございます。環境への意識が高くて素晴らしい取り組みだなと感じました。先ほどのお話で、環境に負荷がかからない素材を使用しているということですが、家づくりに使用されている地域材である無垢の木の良い点をお伺いしたいです。

(加藤さん)はい。無垢の木自体がそもそもCO2の排出というところでいうと、育つ中でCO2を吸収するということで、材木自体が非常に環境負荷の低いものになっています。さらに、地域材を使うことによって輸送面での環境負荷も減らせることができます。今の住宅業界は一般的に外壁にサイディングと言われるものを使っているんですが、そういったものではなく外壁にも板材を使うことで環境負荷を減らせます。室内では、どういったものを面材に使うかで耐久性も変わってくるんですけれども、無垢の木を使ったダイニングテーブルやダイニングチェアなどは、30年以上、メンテナンスをしておけば長く使えるので、非常に環境面で配慮された材料かなと思います。

(福島)はい、ありがとうございます。作る工程だけでなく輸送の面でも環境への配慮が行われていると知り驚きました。では、これらの環境に配慮した活動は、SDGs の17の目標のうち何番の達成を目指している活動だとお考えでしょうか。

(加藤さん)はい。まず、12番の作る責任使う責任っていうところ。それから、CO2 を削減するという形で、13番も該当するかなと思います。

社会

(吉澤)続いて、吉澤真璃菜が社会面の配慮についてお伺いします。加藤材木店さんでは、社会的な配慮について地域だったりとか、福祉などの面で意識して取り組んでいることはありますか。

(加藤さん)はい、まず建築物というのはその土地に建ちますので、地域の町並みを形成していくものの1つになります。ですので、その地域に対して、どういった配慮ができるかというのは、非常に重要なところになってきます。日本では、住宅の法律というのはそれほど厳しくないので、例えば外壁の色だったりとかフェンスの建て方だったりとか、そういったことに規制というのがあまりないというのが現状です。一部厳しい地域もあって、例えばそれが京都や奈良だったり文化財が多い地域ですと、かなり厳しい規制はあるんです。けれども、一般的な住宅の地域においては、そういったものがないのが現状なんです。だからといって個人のエゴの中で建築を建ててしまうということは、やはり社会的な配慮という面で、弊社では考えづらく、町並みを形成するという点でデザインや地域の安全性に配慮しています。例えば交差点に面した住宅では、フェンスの建て方などをなるべく、交差点の見通しがいいような形で一部そこのフェンスを施工せずに、そこにちょっと植栽をして、見通しがいいようにしています。そういった社会や地域への配慮というのをしております。
また、断熱性能が非常に高く快適な住まいを作っているという点では、ヒートショックの事故など、家庭内での事故っていうのを減らすことにも役に立っていると思っています。医療費の削減もできますし、暮らしの健康、健康的な暮らしへも配慮しています。何年か前に統計が出たんですが、18度以下の寝室で暮らしている人と、18度以上で暮らしている人では、風邪を引く確率が4倍程度違うというようなデータも出ています。健康面でも自宅の性能を上げるというのは有効な手段になってきますので、住んでいただく方々に健康的な暮らしを送ってもらうという点では、社会面の配慮というところになってるのかなと思います。

(吉澤)周辺の環境だったりとか、景観や安全面だけでなく、家庭内の健康面や安全性についても考えられて設計されているんだなと感じました。では、SDGsの17の目標のうち、何番の達成を目指して、こういった活動をされていますか。

(加藤さん)3番のすべての人に健康と福祉をという目標の達成を目指しています。

経済

(吉野)続いて、吉野来南が経済面についてお伺いします。企業の成長や持続のために、意識して取り組んでいることは何でしょうか。

(加藤さん)はい。建築、特に住宅業界は、日本では規模がどんどんと縮小していて、新築住宅を建てるという行為自体が、今後かなり少なくなってくるかなと思います。弊社としては、無理に数を追うのではなくて、一棟一棟の質を高めて、よりお客様が快適に住んで頂けるような環境を作る。ましてや一度作ってしまったら、なかなか取り替えるということができないものですので、とにかく質の良い建物を建てて、お客様の資産価値として残るような、何代にもわたって住み続けられるような家を作っていく。そしてそれらが客様の利益になり、またそこから、今度は新しいお客様への紹介などいただきまして、新築住宅としてもある程度決まった棟数を確保できるような形で、継続させていくような形を考えております。
加えて日本では、中古住宅の価値が非常に低くなってしまうということもありますので、そういった中古住宅の、断熱リノベーションなどを施して、新たな資産価値を形成するというような取り組みも、最近では徐々に多くなってきてるかなと思います。

(吉野)建築業務だけでなく、様々な取り組みに挑戦して、人と人との繋がりを大切にされているのですね。加藤材木店さんは、住宅の設計・施工を行う上で様々なことに気を使っている、ということをお伺いしましたが、その中で大切にされている考え方などはありますか。

(加藤さん)そうですね。住宅を建てる上では、まず設計というのも非常に大事で、施工も大事ですし、保証も大事です。

(吉野)建築業務だけでなく、様々な取り組みに挑戦して、人と人との繋がりを大切にされているのですね。加藤材木店さんは、住宅の設計・施工を行う上で様々なことに気を使っている、ということをお伺いしましたが、その中で大切にされている考え方などはありますか。

(加藤さん)そうですね。住宅を建てる上では、まず設計というのも非常に大事で、施工も大事ですし、保証も大事です。設計というのは非常に複雑な要素を持ち合わせていて、例えば断熱性、構造の安定性、デザイン、空調計画など、多岐にわたった非常に多くの要素が絡み合っています。それをバランスよくすべて高い性能で、お客様に提供するということを心がけております。

(吉野)ありがとうございます。ではそのような活動が、SDGs の17の目標のうち何番の達成を目指している活動だとお考えですか。

(加藤さん)はい、こちらも12番の作る責任、使う責任というところになってくるかなと思います。

(吉野)ありがとうございました。

取材後記

地域材を建築に用いることで材料の運搬過程で生まれるエネルギー排出を抑えるなどの工夫によって環境に優しい家づくりを行っているところがとてもすばらしいと感じました。また、お客さんとコミュニケーションを取る際に工夫していることをいくつかお聞きして、加藤材木店さんがいかにお客さんのことを思いやりながら家づくりを行っているのかということがとても伝わってきました。全体を通じて、将来家を建てる際には加藤材木店さんのような、環境のことを十分に配慮しながら、お客さん一人ひとりの心にもしっかり寄り添ってくれる企業にお願いしたいと感じました。(福島凛香)

 住宅づくりの全てにこだわりを持っていらっしゃる加藤材木店さんは、お客さんの満足を第1に考え、共に作り上げていくところが素敵だと感じました。SDGsとの繋がりや建築という職業について詳しくしれたので、とても勉強になりました。(吉野来南)

 加藤材木店さんのSDGsの取り組みを取材をしてみて社会面・環境面・経済面のそれぞれにおいて加藤材木店さんの活動が様々な部分への配慮に繋がっていることが分かりました。特に、社会面の配慮において地域の景観や安全性にまでこだわって住宅を建てているという信念が素晴らしいと思いました。お客様のニーズに応えながらSDGsにも配慮した住宅づくりをされていて、インタビューをしていてとても感動しました。 (吉澤真璃菜)

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